コラム
ハノイ飲食店進出事情
ご無沙汰してます、山本です。一時帰国やホーチミン出張が続き、なかなか書けていませんでしたが、最近の状況をお伝えできればと思います。
時間が経つもの早いものでベトナム来て3回目のクリスマスを迎えました。ベトナムの街は12月位から一気にクリスマスムードになり、小売店はこの時期からクリスマス⇒年末年始(新暦)⇒年末年始(旧暦)と1年の中でも最も集客が見込める大事な時期が続くことになります。中でもテト(旧正月)前は1年の中で最大商戦となり、ベトナム人にとってテトがいかに大事なイベントかを体感することができます。テト前後についてはまた別の機会でご紹介したいと思います。
さて、先週は日本から飲食店のお客さまをお迎えし、ハノイでの出店に向けた打ち合わせや店舗物件等の事前調査をした1週間でした。日系レストランのベトナム進出は以前からありましたが、最近はホーチミンよりもハノイでの出店が目立ってきていると感じます。理由は色々あるかとは思いますが、現地で長く飲食店出店をサポートしてきた会社の社長に伺ったところ、ホーチミンは日本食レストランが既に乱立していることに加え、景気の停滞が顕著に表れていること、更に賃料の高騰等がその進出を阻んでいるとのことでした。一方ハノイも日本食レストランは多数ありますが、まだホーチミンほど飽和している状態ではなく、業態やメニューによってはオンリーワンの立ち位置を得ることができ、まさに今が狙い目なのかもしれません。
最近ハノイに進出してきた話題性有るお店で言えば、CoCo壱やSushi Hokkaido Sachi、現在ベトナム唯一の回転寿司の「浜鮨」等が挙げられますが今後、某大手牛丼チェーンや日本でも超人気ラーメン店もハノイに出店すると言われています。
今回アテンドしたお客さまは、ハノイにはまだ無い業態やコンセプトを売りにしていることから、十分勝負できると見ており、今から既にオープンが楽しみです。とはいえ飲食店の出店は他の業種と違い、多くの関門があり難しいことで知られています。以下、飲食店の進出をするうえでポイントを紹介します。
<物件と内装ついて>
まず、店舗物件の選定です。飲食業にとってロケーションは重要なポイントです。現地専門家や不動産会社の意見も参考に、好立地物件を根気よく探すことが必要です。また、数年ごとに賃料が10%以上、上がっていくことも想定しておく必要があります。
一方で、法人設立においては、物件を決めた後に設立手続きを開始してもいいのですが、まずシェアオフィス等で法人設立を行い、店舗が確定してからライセンス変更をするというテクニカルな手法もあります。この場合、現地法人を通じて現地での支払いが可能となることや、人材採用を先行できるメリットがあります。
さて、店舗の次は内装です。ベトナムでの飲食店は店舗デザインが想像以上に重要で、特に若者を中心に動画やSNS投稿が盛んですので、マーケティングにおいても重要な役割を果たします。
ただし、消防法等の多くの法令の制約もありますので、物件オーナーや内装会社との交渉が非常に重要となります。
<人材の採用・教育について>
店舗スタッフの採用方法としては、人材紹介会社に依頼するのが一般的ですが、Facebook等のSNSを活用する方法や、リファラル採用も選択肢となります。ホールスタッフであれば店舗前に求人の張り紙をして募集をかける光景も良く見られます。
採用したスタッフについては、オープン日までオペレーションの教育が必要になりますが、マニュアル等を用いて体系的に教育をするのが効率的です。日本での教育手法があるかと思いますが、ベトナム人に対する指導手法もまたそれに適したものにカスタマイズしていく必要があります。オペレーション教育の際に必ず壁となるのが言語の問題。言葉でうまく伝えたつもりでもスタッフには100%伝わっていないことも想定し、あらかじめ数多くのオペレーションを動画で一覧にしていつでも見せれるように用意しておくといった工夫も効果的です。
<現地プロモーションについて>
オープン前、そしてオープン後も現地でのプロモーション活動は必須と言えます。現地無料雑誌への広告掲載やSNS、PRイベントなど各種メディア戦略が重要になります。ちなみにベトナム人に対するプラットフォームを活用したプロモーションにおいては、FacebookやInstagramが代表的ですが、近年若者の間ではTik Tokが強く、KOLを活用した店舗PRはコストこそかかりますが、かなり効果的な手法です。
いかがでしょうか、ベトナムへの進出を検討されている日本食レストランの方々。ホーチミンだけではなくハノイでの選択肢もあることを覚えておいていただけたらと思います。弊社では進出前の現地調査から物件の選定、店舗内装、食材の仕入れ、スタッフの募集・教育も含めたお店のオープン準備、その後の法人運営などどのフェーズでも全て寄り添ったサポートやコーディネートが可能です。是非お気軽にお問合せいただければと思います。
それでは今年もあとわずかですが、体調に気を付けていきましょう!