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ハノイのスーパーマーケット事情と、変わりゆくベトナムの小売市場

ハノイのスーパーマーケット事情と、変わりゆくベトナムの小売市場

旅の醍醐味、現地のスーパーマーケット

Xin Chào! みらいコンサルティングベトナム ハノイ支社の金森です。

旅する時、私はご当地のスーパーマーケットをできる限り訪れるようにしています。お土産を比較的安く買うことができるケースが多いという理由もありますが、何よりその土地の物価や食文化、そして人々のリアルな生活熱量を垣間見ることができるからです。今回は、私たちが暮らすハノイの小売・スーパーマーケット事情をお届けします。

伝統と近代化の狭間でベトナム政府が進める「市場」の未来

都会のハノイでは、近代的なスーパーマーケットやコンビニエンスストアも至る所にありますが、昔ながらの伝統的な市場も無数にあります。市場では野菜や果物を扱う店、肉屋、魚屋などが並び、籠の中に出番を待つ鳥たちがぎゅうぎゅう詰めになっている景色も日常です。

こうしたお店は比較的安く商品を買えますが、近年は衛生面への意識の高まりなどから、政府主導による市場の統廃合やキャッシュレス化(QRコード決済の導入)といった「近代化・安全性の向上」が進められています。ベトナム政府の方針としては、伝統市場を単に排除・縮小させるのではなく、独自の文化を遺しつつ現代的な小売形態と共存させる戦略をとっています。

しかし、利便性やコールドチェーン(冷蔵・冷凍設備)の観点から、今後はスーパーマーケットが、多様化するベトナム人消費者のライフスタイルをより力強く支えていくことは間違いありません。

※私が赴任した2025年の7月ごろには、少し道を歩くと歩道に商品を並べた市場がたくさんあったのですが、最近は衛生面以外に道路事情の向上や車の混雑を緩和する狙いもあり、歩道の市場は撤去が相次いでいます。

スーパーマーケット事情~圧倒的な地場系と躍進する外資系~

ベトナム政府は現在、外資系企業の参入を促しつつも、国内の産業保護と経済発展のバランスを取るため、近代的な小売インフラの整備に注力しています。そうした政策を背景に、現在のハノイでは、それぞれの国や企業が持つ強みを活かした、個性豊かなスーパーマーケットに出会うことができます。

地場系の代表格で全国展開しているのがWin Martです。ショッピングモール「Vincomセンター」に大型店舗が入居しているほか、街中には小型・中規模店舗(WinMart+)が無数にあります。その他の地場系では、CO-OP MartやBRG Martなどもあり、ベトナム人の生活の基盤として基本的な商品を取り揃えています。

一方で、日系スーパーマーケットも大きな存在感を放っています。AEONは、郊外に超大型の「AEON Mall」を展開するだけでなく、食品スーパーMaxValuなども展開しています。日本と同じ商品が手に入るため、ハノイ在住の日本人はもちろん、ベトナム人にも大人気で、特に週末は混雑が目立ちます。ちなみに長年ベトナムにお住まいの日本人の方とお話ししていると、イオンの進出前と進出後で雲泥の差と言われます。日本の食品のみならず、日本人にとって馴染みのある日用品まで手に入る環境は、こうした日系大手の進出によって劇的に向上したのでしょうね。

また、住友商事と地場BRGグループの合弁であるFuji Martは、日本式の運営と技術(鮮度管理やおもてなし)とBRGの現地基盤を武器に、ベトナムの消費者をメインターゲットとした出店を近年急速に強化しているようです。

そして日本人街であるリンラン通り周辺にはTOMIBUNを筆頭とした日系スーパーが点在し、単身の駐在員の胃袋と生活を手厚く支えています。

※私は普段はWinMartを利用しているのですが、日本食材を探しに行くとなるとTOMBUNまで足を延ばします。ベトナムでよく豆腐は食べるのですが、意外にも薄揚げはなく…。豚肉も固まりメインなのでスライスや細切れが欲しくなったり…TOMIBUNさんはかゆいところに手が届く食品ラインナップをしてくれています。

多国籍な彩り:韓国・タイ・欧米系もあります

韓国系といえば「Lotte Mall West Lake」や「Lotte Center」に大型店舗を展開するLotte Martは、モダンな雰囲気がベトナム人や外国人の両方に支持されており、韓国製品のラインアップが非常に充実しています。非常に大きなスーパーなので私もWinMartの次に活用しています。

また、タイ系企業も大規模な売り場面積を誇るGO! Supermarket(元Big C)や、卸売型のMM Mega Market(ベトナムのコストコと言われています)、Tops Marketを展開しています。さらに、欧米系の在住者を主なターゲットとしているのがL’s Placeで、ハノイ市内に数店舗を展開する高級路線です。独自の輸入食品やワインなどのお酒類の品揃えが素敵です。そして、高級・オーガニックスーパーのトップといえばAnnam Gourmetでしょう。西湖エリアなどの人気店舗に加え、2026年に入ってからは「Hanoi Center」内にも新しい店舗がオープンしました。

※野菜はほとんどが量り売りです。野菜コーナーに量る人がいるので値段をつけてもらってからレジに並びます。

おわりに:変化を続けるハノイの小売市場

ハノイでは、国内外の小売企業の進出が続いており、消費生活の多様化が期待されます。

ベーシックな生活必需品だけでなく、嗜好品の品揃えが増えるなかで、ハノイ駐在の身としては「日本の商品がより手ごろな値段で買えるようになると嬉しいな」と願うばかりですが、一方で、数多ある現地ローカル商品の中から、自分の好みに合ったお気に入りの一品を見つける楽しみもまた格別です。(最近ベトナムで見つけてはまっているのは、「生胡椒の塩漬け」。おつまみにも料理のアクセントにも最高です)

ベトナム経済の成長とともに、スーパーマーケットの景色がどう変わっていくのか。これからもハノイ生活が楽しみです。

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