コラム
狂犬病にご注意を!
こんにちは! Xin chào !
みらいハノイの山本です。7月も下旬に差し掛かり、第二四半期の締め作業に各社追われていることかと思います。ベトナムでは個人所得税(PITと呼ばれるものです)の申告時期が4月、7月、10月、1月になるので、この月は会計事務所やコンサル会社といった給与計算を代行する会社や企業内の総務経理部門は慌ただしい時期になります。ちなみにベトナムはテトでお馴染みの旧正月がだいたい1月下旬から2月上旬にあり、年度末の決算(ベトナムでは多くの会社が12月決算を採用しています)や賞与・昇給、正月前の挨拶時期とも重なり、1月は一年で最も多忙な時期となります。
さて、今ベトナム在住日本人の間でにわかに騒がれているニュースがあります。それは狂犬病が急激に増えているということです。Twitter内では狂犬病予防を呼びかける記事が急激に増えており、記事の一部を拝見すると例えばクアンビン省では狂犬病罹患による死亡者がこの数か月で2名出たようで、他の省でも今年だけで10例程出ています。
狂犬病は噛まれる等の要因発生から実際の発症までの期間に個人差があり、早ければ1週間、長ければ6か月から1年程度潜伏することもあり、今何も症状が無いからといって安心できません。
死亡例に共通しているのは、死亡者がワクチン未接種であったことが挙げられます。
狂犬病はご存じの方も多いかもしれませんが、発症したら効果的な治療法は無く、致死率ほぼ100%の恐ろしい感染症です。さらに驚くべきは、ベトナムにおける犬猫に対する狂犬病ワクチン接種率は約4割程度に留まるという話があります。(日本では犬の登録制度や予防接種の徹底等により昭和32年以降の狂犬病発症事例は確認されていなく、現在撲滅されているといわれています)
街を歩けば、至る所に野良犬がいるのも非常に怖いのですが、飼い犬であったとしても未だに放し飼いで外を歩かせている人が後を絶たないのがベトナムです。つまり、すぐ近くで放し飼いされている犬が狂犬病ワクチン未接種である可能性は非常に高いのです。日本人の感覚からするともはやテロであり、狂犬病から自分の身を守る為には、
① 外を歩くときは安易に犬猫に近づかない
⇒まずこれが鉄則です。日本ではお散歩中の可愛いワンちゃんがいて気軽に触ったとしても狂犬病にかかることはまずありませんが、ベトナムでそんなことはしてはいけません。
噛まれなければ良いだろう、という考えも非常に危ないと思います。噛まれなくても舐められただけで感染した例があるようです。私も実家で犬を飼っていたこともあって大好きなのですが、いつも触りたい気持ちを抑えて距離を取って歩いています。(猫は元々アレルギー持ちなので触れません)
② 必ず自身もワクチン(予防接種)を打ってから来越する
⇒これも非常に重要です。通常3回接種して終了(ただし、半永久的に効果があるわけではない)となりますが、たまに在住者でもワクチンを未接種、あるいは接種しても1回、2回で終えているケースを見かけますが、非常に危険だと思います。私はしっかり3回接種してからベトナムに来ていますが、1回目と2回目の間に一定のインターバル(3週間程度)を置く必要があるので、渡航日から逆算して接種スケジュールを立てることが必要になります。最悪渡航日までに間に合わなかったとしても現地の病院で接種できます。
ちなみにベトナムで働く際に推奨されるワクチンは狂犬病だけではなく、A型肝炎、B型肝炎、破傷風等もあり、これらも1回接種して終わりではなく、3回接種することが推奨されているワクチンになります。赴任が決まってバタバタしていて、接種できなかったということが無いように、事前に期間の余裕をもってスケジュールを立てることが重要です。自分の身は自分で守るしかないということです。
③ 万が一、噛まれるようなことがあったら、すぐに病院へ
⇒傷口をよく洗って、すぐに病院へ行くことが必要になります。ワクチンをすでに3回接種していたとしても、もし噛まれてしまった場合は、暴露後接種という追加接種を行うことになります。つまり、すでに予防接種していれば安心というわけではないので、急いで病院に行って処置をうけることが必要になります。
いかがでしょうか。この他、かかりつけの病院を現地で探しておくことも重要だと思います、ハノイであれば日系の病院もありますし、インターナショナル系の病院も豊富にありますので、ご自身に合った病院を前もって探しておくと良いのではないでしょうか。ご自身だけでなく、ご家族の安全を守る為にもしっかり事前知識を持って、海外生活をエンジョイしていただければと思います。