コラム

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ベトナムで人気のECサイト

ベトナムで人気のECサイト

皆さんこんにちは!みらいHCMのThanh(タン)です。

ここ数年、オンラインショッピングをする消費者が急増している東南アジアでは、シンガポール発のECサイト・ShopeeやLazadaなどが高い人気を博しています。

ベトナム国内でも、現時点で最も人気のあるECサイトはShopeeで、ベトナムの調査会社Metric(メトリック社)が発表した2024年第一四半期のeコマースレポートによれば、市場シェアは67,9% 。次いでTikTok Shopが23,2%、Lazadaが7,6%、ベトナム国内系ECサイトであるTikiは1.3%と報じられています。

Shopeeの設立は2015年、Lazadaは2012年と、いずれも10年前後の実績のあるECサイトですが、TikTok Shopがベトナムに進出したのは2022年4月。それまでのShopee一強とも言える中で、TikTok Shopは進出しておよそ1年でLazadaを超えるシェアを確保していることに驚きとともに興味が湧いてきます。

TikTok Shopがなぜここまで急拡大できたのか、要因はいくつかありますが最も新しいECサイトということに加えて、何より主軸サービスであるTik Tokで人気のインフルエンサーを使ったライブコマースを他社に先駆けて導入したことが挙げられます。平均年齢がまだ若いベトナムではTik Tokの利用率はとても高く、もはや生活の一部となっていると言っていいアプリにECサイトサービスをうまく結び付けて成功した一例と言えるでしょう。また、Tik Tok Shopは他社と比較して、クーポン等の割引制度も充実しているなど、差別化も図っており、今最も勢いのあるECサイトです。

一方、シェアこそ他社に劣っているものの、Lazadaも独自の強みで根強いユーザーを確保しています。特に2022年後半に発表した、新しいマルチチャネル配送サービスは多くの注目を集めました。具体的にはFacebookやZALO等のSNSアプリケーションとLazadaが連動することによって、当該アプリ上からLazadaの注文ができるようになり、今までにないワンストップ配送サービスを実現しています。ECサイトにおいてロジスティック機能は最も重要な要素の一つと言えることからも今後、Lazadaがベトナムにおけるロジスティック市場のリーダーを目指していることをより明確に示していると言えます。

同期間におけるベトナムの5大電子商取引プラットフォーム(Shopee、Lazada、Tiki、Sendo、Tiktok Shop)の総売上高は71兆2000億ドン(約4千億円)に達し、2023年の同時期と比べて78.69%増加しています。また、同期間には7 億 6,670 万個の製品ユニットが消費者に届けられ、これは前年と比較して 83.21% の増加となっています。コロナ前の消費者は、このようなECサイトの利用も限定的でしたが、コロナ禍においてその利便性を知ることになり、現在はコロナ禍よりも消費活動が活発化していると考えられます。。オンラインショッピングは消費者の習慣にますます不可欠なインフラになりつつあることが窺え、その成長を支えているのは、なんといってもインターネットとスマートフォンの高い普及率と言えるでしょう。

さらに、2024 年の第 1 四半期には家庭用電化製品業界の急速な発展が見られ、売上高は 146.8% 増加し、販売量は 370% 近く増加しています。プロジェクターやロボット掃除機など、最もよく売れている製品はすべて高価格帯です。これは、販売者が製品の品質さえ証明できれば、消費者は高額商品であっても購入する傾向にあることを示しています。

ベトナムでは日用品や家電の購入などでECサイトを日常的に使っている人が多く、他の購入者のレビューを参考にしたり、セールや割引クーポンを活用したりと、各プラットフォームの機能やプロモーションをうまく使いこなしています。

今後、ベトナムの経済発展に伴って、消費市場が拡大することは確実であり、健康食品、化粧品、食品、スポーツ用品、文房具、アパレル、医薬品、農産物といった分野が特にポテンシャルが高いと考えられます。

今後ベトナムのECサイトのプラットフォーム間での競争はますます激しくなることが予想されます。各プラットフォームとも他社との差別化のためにこれからも新しい機能やサービスがリリースされ、ユーザー獲得競争に拍車がかかりますが、我々ユーザーにとっては、より便利に、より安心に買い物ができる世界へとアップデートされることを期待しています。

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