コラム
チャイナプラスワン/ベトナム縫製工場探し
みなさんこんにちは。みらいホーチミンの加藤です。
日々ベトナムに関するご相談を頂くなかで、中国に次ぐ、新たな海外生産拠点を探されている企業様からのご相談も多数頂いています。
昨今、中国の人件費高騰や生産コストの増加、2018年後半からの米中貿易戦争の影響などを鑑みて、中国以外の国での新たな生産拠点や協力工場などを模索する動きがあった中、2019年末に発生した新型コロナウイルスによるサプライチェーンの寸断で、世界の生産拠点として中国が担ってきた大きな役割と、そこに依存することへの大きな課題が浮き彫りとなりました。
その後も台湾有事の懸念が浮上するなど、BCP(事業継続計画)の観点から、リスク分散を模索される企業は多く、その中でベトナムは脱中国が向かう先として有力候補となっています。
このようなニーズに対して、当社では市場調査や調達支援などにも対応しており、私自身も様々な業種・規模のベトナム企業に連絡して、訪問をおこなっています。
ここ数か月の間では、縫製品に関するお問い合わせを複数件頂きました。
一口に縫製品といっても種類はさまざまで、衣服・作業着、下着、カバン、靴など、色々なご相談を頂いておりますが、今回は先日訪問をした靴の縫製工場をご紹介します。
縫製業はベトナムの主要産業のひとつです。縫製品の市場シェア(国別)では、約3割を占める中国に次ぐ上位国であり、大手アパレルメーカーの工場も数多く存在します。
現地縫製工場訪問で感じた、ベトナムからの縫製品調達のメリットとデメリットを以下3つずつお伝えします。
<メリット>
・技術力が高い
縫製業は根気のいる作業も多いですが、まじめで器用な方も多いベトナムでは、その技術水準は近隣諸国と比較して優位にあると思います。
・貿易協定による輸入関税メリット
日越間の貿易協定により、条件次第では関税無しで日本に輸入することができるケースもあります。
・親日的な人が多い
ベトナムの親日度は高く、円滑な取引を目指すうえで有効に働くと考えられます。面談の場においても、協力的な対応が得られることが多いです。
<デメリット>
・原材料を輸入に頼っている
生地や副資材について、主に中国、その他台湾、韓国など、他国からの輸入に頼っているものが多く、モノによっては原材料コストが高かったり、手に入らなかったりするものもあります。
・輸送コストと時間
中国から輸入する場合と比較すると、輸送コストと時間がかかります。
・品質や価格、ロットとの折り合い
工場の規模やレベル感は様々。条件によっては企業選定や品質指導などに時間を要するケースもあります。
以上、今回はベトナム企業からの縫製品調達についてご紹介しました。
確立された中国調達から他国からの調達へ切り替えを行なうためには、超えなければならないハードルが多数ありますが、先を見据えた動きとして、課題を持っておられる企業様も多いかと思います。
ベトナム市場・企業調査や、ベトナム企業との交渉は、日本企業にとって難しい面もありますが、弊社では調達支援、販路開拓など、幅広くサービス提供させて頂いておりますので、是非お気軽にお問合せください。
それでは今年も残すところわずかとなりましたが、頑張って行きましょう!