コラム
ホーチミン市地下鉄開通!
シンチャオ!みらいHCMの横関です。
巷はすっかりテトモードになっていますが、日本人のわたしはテトモードに負けずしっかり仕事に取り組んでいます!
ベトナム最大の経済都市であるホーチミン市に、待望の地下鉄が2024年12月22日ついに開通しました。
今回開通したのは、ホーチミン市初の地下鉄路線である「1号線」です。
この路線は、都市中心部のベンタイン市場から東部のビンズオン新都市に至る約20キロメートルの区間を結んでおり、全14駅あります。
1号線は、日本の支援を受けて建設されており、日本の技術が随所に採用されています。
駅構内の様子(ベンタイン駅)
→駅構内は、日本の地下鉄の駅を彷彿させる設計となっており、ベトナムにいるのを忘れてしまうほどでした。
路線図(開通済みは青線の部分)
改札(写真右奥)を通過するまでの長蛇の列(ベンタイン駅)
→開通初日には、多くの市民が駅に押し寄せ、駅構内は人でごった返しており電車に乗るのに1時間から2時間待ちの状態…。
1か月間は、乗車賃無料ということもあり、新しいもの好きのベトナム人が殺到したため、乗車は断念しました。
自動券売機
→着工した2012年のベトナム国内では硬貨が普及していたのですが、今では使われることがないなか、硬貨利用可能な券売機の存在が話題になりました。
今回の地下鉄開通には、様々な期待が寄せられています。
一つめは交通渋滞の緩和です。
ホーチミン市は、バイクや車での移動が主流であり、交通渋滞が深刻な問題となっています。地下鉄の開通により、市内の主要ルートにおける渋滞が緩和されることが期待されるほか、騒音問題などホーチミン市内の暮らしにも大きな変化が見られることが予想されます。
二つめは大気汚染の軽減です。
ホーチミン市内で生活していると、時々ビルの高層階がくもって見えないことがあり、日によっては世界でトップ10に入るほど、空気が悪い日があります。バイク大国のこの国では、バイクからの排気ガスは大気汚染の原因のひとつとなっていることから、地下鉄を利用した通勤などの普及により、大気汚染の軽減にも期待が寄せられています。
三つめは地下鉄沿線の不動産開発が活発になることです。
今回の地下鉄開通により、これまで開発が遅れていたエリアでもインフラが整備され、新たな住宅地や商業施設の開発が進むと考えられます。基幹産業がないこの国では、不動産開発は非常に重要な産業のひとつであり、経済に与える影響も大きくなります。地下鉄の開通によって、ベトナム国内の経済成長率増加にも期待が持てます。
このように、今回の地下鉄開通における影響は、環境に対するメリットのみならずベトナム国内における経済に対してもプラスに働くことが予想されます。
ただ、この1号線が承認されたのが2008年で、着工が2012年となっており、約20キロを開通させるのに、12年もの歳月が経過しているのが実情です。
1号線の成功を受けて、2号線や3号線など、さらなる路線の建設が計画されていくのですが、路線図にあるすべての線が開通するのは、いったいいつになることやら。
今後の展開に注目が集まります。